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零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

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【good boy】

AVENG小説【good boy】

短編のドクトニ。
休ませたかっただけのお話し。






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【good boy】




パラリと紙をめくる小さな音が聞こえてトニー・スタークは漸く後ろを振り向いた。此処はトニー・スタークの研究室。本来ならばトニーの許可のない者は入れないのだが、侵入者である男にはその手のセキュリティは関係なく、また、研究室を管理しているF.R.I.D.A.Yも彼に関しては主人に告げる必要がないと理解している。優雅に空中に座り本を読む男ドクター・ストレンジは書物に没頭しているようで、トニーが気付いた事に気付いていない。トニーは片眉を下げて溜息を吐き出した。
くるりと掌を回して蒼いホログラムデータを球状にする。小さなデータの塊は淡い輝きを放ちながらトニーの掌からストレンジの顔を目掛けて投げられた。まるで要らないゴミをゴミ箱に放るように、曲線を描いたホログラムデータは唐突に伸ばされたストレンジの指先でくるりと回転して2人の頭上で弾け飛んだ。キラキラと降り注ぐ星屑達にストレンジの視線がトニーへと移る。

「プラネタリウムでも始めたのか?」

口許をゆるやかに微笑ませ、静かに床へと足をついたストレンジはトニーへと問い掛ける。傍に居ながら放って置かれたトニーは拗ねたように腕を組んで「いいや」と無愛想に答えた。ストレンジの腕がトニーの頬に触れれば、指先で顎髭をじゃりと撫ぜた。

「宇宙からの救難信号だ。緊急性が高いものは…」

言葉を遮るようにトニーの唇へと口付けたストレンジは甘やかすようにゆっくりと、しかし本来の性分と同じようにしつこく、挿し込んだ舌でトニーの腔内を愛撫する。片方の腕でトニーの身体を抱き寄せて、小さく指先をまわす。
弾かれたように集約したデータが淡い魔法陣を描きながら何処かへと消えてゆく。その光景を視界の端に入れながらトニーはストレンジの服を指先で小さく握り締めた。

「あの程度ならば君が出る必要はない。専門家に任せるとしよう。」

漸く離れた唇が意味深に笑みを浮かべてトニーを甘やかす。何処かの宇宙で宇宙の守護者達が騒ぐだろうが、彼等ならば協力してくれるだろう。するりと伸ばしたストレンジの腕に浮遊マントが巻き付いてトニーを横抱きに抱きかかえる彼の補佐をする。ストレンジに抱きかかえられたトニーは彼の肩に頭を寄せながら浮遊マントの襟元をすりすりと撫ぜた。「good boy」と声に出さず告げたトニーに浮遊マントは上機嫌でマントの端を揺らす。
両手が塞がった今だけは魔法は使わない。魔法ならば一瞬で辿り着ける距離をわざわざ抱きかかえて運んでくれるストレンジにトニーは小さく微笑んだ。
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