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零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

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AVENGERS小説【許されざる真実】

AVENGERS小説【許されざる真実】

唐突に書いてみたHOMハワトニ親子と別次元から来たキャップ。
ハワードパパ×トニ←キャプ(キャプトニ)になるのかな?
ひたすらキャップ視点で進みます。
そして中途半端で終わってます。

『追記を読む(↓)』からどうぞ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「すまない…世界に必要なのは私ではなく君だ…。」

永遠に忘れられないだろう言葉がある。
永遠に忘れられないだろう人がいる。
とても美しく慈愛に満ちた人だった。
彼はもう随分と昔…嗚呼、時間と言う概念が此処にあるならばだれけど、遠い昔に亡くなってしまった…
星の瞬きに似て、美しい記憶と共に彼は甦り、たびたび僕の頭を活性化させる。
僕と言う世界に必要なのは君だ。
だからせめて僕は君を護りたいと思った。
異なる次元の世界でもいい。君を。



異次元の扉を飛び込むように潜り抜けると眩いばかりの陽射しが僕の目を刺激する。勢いがあまり道端へと体ごと突っ込むと通行人が僕を避けて怪訝そうに眉をひそめた。ひそひそと囁く声が耳障りに通り過ぎてゆく。一瞬だけ陽射しを遮る黒い影が僕を包んで、僕は咄嗟に顔を空へとあげた。

「トニー!」

空を飛んでいるならばアイアンマンとして活躍している彼の可能性があると名を呼んだが、僕の目に映ったのは白く広がる翼だった。青空に広がる白い翼の男性は優雅にスパイダーマンを模した熱気球のそばをひらりと飛んで行く。

「君の名前は知っているよ、エンジェル。私の知らない君だろうけどね。」

ミュータント遺伝子を持つ彼の名前をぼそりと呟いて僕は立ち上がる。右手に握り締めたままの盾を背中に装着して周囲を見渡せば賑やかな街中には数多のミュータントが溢れていた。身体の色が違う者が表情豊かに笑い、舌が異様に長いミュータントが他者のアイスクリームを舐めようとして、舌を掴まれている。まるでお祭り騒ぎのように至る場所から色とりどりの風船が舞い上がり、ぱあんと破裂した内部から小さな花々を撒き散らす。高層ビルの合間に置かれたホログラムTVは美しい映像を流している。

「本日おこなわれるマグナス王家の誕生祭ではワカンダの国王ティチャラ王とストームの愛称で知られるオロロ王妃が…」

流れるニュースを耳に歩き出せば街中がお祭り騒ぎだと感じた理由に納得がいった。マグナス王家の生誕祭があるのだ。つまりはこの世界の統治者はマグニートーなのだろう。そう気付くと僕は身を潜めるように路地裏に入り込む。ミュータント遺伝子を持つ者を力で護ろうとする彼の統治した世界が人間に善意的とは限らない。トニーに会う為にはなるべく問題を起こしたくはなかった。問題を起こした先で出逢う事もあるとしても彼への初印象は良くしておきたい…。
路地裏の小道にまで流れ込むニュースは華やかな音楽とともに新たな話題を流してゆく。するりと壁から抜け出してきた男性に小さな祝いの花を手渡され、隠れる場所もないなと溜息を吐きだせば幸運なニュースが僕の耳に舞い込んできた。

「MBC主催のサピエンバトルでは今年も勇敢な戦士達が勢揃いで開幕式を彩りました。今年の優勝の座を狙うトニー・スタークは…」

トニーの名前を聞き付けて僕は路地裏から飛びだす。遠くからでも綺麗に映り込む高性能なホログラムTVは赤と黒に彩られたバトルスーツに身を包むトニーの姿を映し出していた。バトルスーツの胸元にデザインされたオレンジの丸さがアークリアクターを彷彿とさせて、僕の心を激しく揺さぶる。ニュースの内容に耳を澄ませれば、彼はニューヨークにあるスタークインダストリーズで社長をしていると聞き取れた。記憶にあるスタークインダストリーズの住所を思い出して僕は足を速める。
異世界であろうとも君が棲みつく場所は似通るんだな…。懐かしさに想い出がじわりと滲む。スタークインダストリーズの敷地内まで超人血清の無駄遣いともとれる速度で走り込めば、似て異なるスタークインダストリーズの建物が僕の視界に映った。会社の玄関口がざわざわと騒がしい。見れば、カメラやマイクを持った記者らしきミュータント達が玄関口を囲んでいる。「トニーを捜す方法?簡単だよ!人集りの中央にはだいたいトニーが居る。」誰が言った言葉だっただろうか?高鳴る心臓を落ち着かせて人混みを掻き分けてゆく。まるで映画のワンシーンでもあるかのようにスローモーションのように永くて、とても短い一瞬。
トニーの姿が僕の視界を彩った。記者に流す視線は穏やかで、自信に満ち溢れた唇が優雅に微笑む。さらりと動きにあわせてなびく柔らかな髪。優しく肩を抱かれ、会社へと入ろうとするトニーに僕は声を張り上げて駆け出す。

「トニー!!」

強く手首を掴んで、名前を呼べば、振り向いたトニーは驚きに目を見開いて僕の姿を見据える。ぱちりと瞬きをして、眉間に皺をつくったトニーは小さな苦笑で僕に微笑みかけた。

「誰かな?我が社の従業員に君のようなキャプテン・アメリカファンは居なかったと思うが…。」

愕然とする言葉だった。トニーは僕を知らないのか?もう1人の僕とも言えるキャプテン・アメリカは知っているのに?動揺してトニーを掴んだ手に僅かな力が入ってしまう。痛んだのだろうトニーは眉間の皺を僅かに深めて僕を睨んだ。

「スティーブ・ロジャース?」

突然に僕の聞きたかった名前が見当違いな所から飛んでくる。トニーの背後。トニーの肩を抱いて、会社内部へと導こうとしていた年老いた男性が僕の名前を出したのだ。驚きで男性の顔を見れば、白髪に皺をつくった顔ながらも見覚えのある顔。僕は呼吸を忘れた魚のように口をぱくぱくと動かして、掠れた声を漸くに絞り出した。

「ハワード?ハワードなのか?」

紛れもなくトニーの父親であるハワード・スターク、その姿だ。此方の世界ではハワードが生きてトニーの傍に居る。まるで死んでしまった人間に出会ってしまったような気分だ。僕の世界では、僕が氷の下で深い眠りについた後、目覚める前の、トニーがまだ成人しないうちにハワードは亡くなっていたのだから、言い得ているだろう。しかし、驚きは隠せれない。ハワードもハワードで驚きがあるようだ。僕の顔を驚愕の表情で見据えていたが、やがて笑顔を取り戻す。

「スティーブ、一体どんな手品を使って若返ったんだ?
超人血清に若返り効果があるのなら研究を再開しなければならない。美容目的でな。」

くつくつと髭を揺らして愉快そうに笑うハワードにトニーは小さく唇を尖らすと僕を見据えてくる。その視線に一瞬だけ敵意を感じたような気がしたが、トニーは小さく微笑むと僕に手を差し出してくれる。

「貴方がスティーブ・ロジャース?あのキャプテン・アメリカ御本人でしたか。父から話はよく伺っていました。大戦中の英雄だと。
しかし、こんなに若い青年だとは…聞いていませんでした。御無礼をお許しください。」

「あ、ああ…。これには理由が…。」

他人行儀なトニーの口調に自然と心が沈む。この世界のトニーと僕は知り合いではなかった。ではこの世界の僕は何をしているのだろうか?安穏と生きているのならばその頬を殴り、戦士として奮い立たせてやりたかった。護るべき存在が此処に居ると言うのに…。
じっとトニーを見据えていれば、トニーは少し困惑の表情を浮かべてみせる。沈黙が不快だったのかハワードはトニーの肩を抱き寄せ、僕がトニーの手首を掴んだままだと気付くとあからさまに咳払いをして僕に手を離せと要求してきた。その動作がトニーの過保護なAI執事を思い起こさせて、僕はトニーから手を離す。不意に視線を流したハワードは持て余していた手をトニーの頭に乗せて、些か乱暴にトニーの髪を撫で回す。ぐしゃぐしゃになってゆく髪に怒鳴るでもなく、瞳を閉じてただ受け入れるトニーは何処となくも嬉しそうで、幼い子供のような可愛らしささえ纏っていた。

「スティーブ、話は中で聞こう。」

満足そうに微笑み歩き出したハワードはトニーの肩を抱き寄せたままで離そうとしない。ジャーヴィスの過保護はトニーではなく、ハワードに似たのかもしれない…。頭を過ぎった行動の類似性を見つめながら僕はスタークインダストリーズの中へと足を進めた。



おかしい…。運ばれてきた珈琲に口を付けながら僕はトニーとハワードを見つめていた。僕が異世界から来た事を伝えてもあまり動揺をみせなかった2人。ミュータント遺伝子を持つ者が溢れるこの世界では多少不思議な事があろうとも、それが日常茶飯事なのだろう。しかしながら、ソファーに腰掛けるトニーの手をハワードがずっと離さずに指を絡めているのが僕の気に障りはじめていた。そしてそれを自然と受け入れるトニーの姿に、まるで浮気現場を目撃してしまった恋人のような気分に陥る。そう、浮気だ。心中のどす黒い感情にはたと気付くと僕は邪推とともに首を横に払い、眉間に皺を寄せてハワードへと問いかけた。

「先程から気になっていたのだが…、ハワード、何故ずっとトニーの手を?」

僕の指摘にハワードの手がするりとトニーから離れる。居心地悪そうに髭を撫ぜたハワードは僕から視線を逸らして歯切れ悪く話を始める。

「スティーブ。君なら安全だろうから話すが…
トニーの身の回りには少し、いや、大分好き物が居てね。トニーを男性だと知っていながら近づいて来る男の虫が多い。君なら大丈夫だと思うが、私は父親として心配しているんだ。」

くつくつと父親によく似た微笑みを浮かべるトニーに、恥ずかしく思ったのだろう。僅かに頬を染めて話すハワードは何処か悔しそうだ。父親であるハワードの心配性にトニーも慣れているのかもしれない。横に座るハワードを見ながらトニーが自身の珈琲に手を付けようとして僕はトニーのカップにミルクを注ぐ。きょとんとした表情で僕を見据えてくるトニーに微笑んで、角砂糖を半分だけスプーンにいれてカップの中で搔き回す。トニーが好きだった珈琲を差し出して、僕は「君が疲れた日によく飲んでた。君の好きな味だ。」と告げる。半信半疑のトニーは僕と珈琲を数度交互に見ると小さく唇をカップに付けて、珈琲を飲み込む。途端に僕を見据えたトニーの表情は「何故?私好みの味を?」と問い掛けてきて僕は思わず噴き出して笑ってしまった。

「君の好みは把握してるよ。よく君に作ってあげていたから。君と僕は一緒に暮らしていたんだ。僕の世界ではね。」

懐かしい想い出を語ればトニーは困ったように眉を寄せてしまう。そして小さく唇をカップに寄せて、僅かに微笑みを浮かべたトニーの身体が突然に大きく揺れて僕は驚きに目を見開いた。横から伸びてきたハワードの腕がトニーの身体をしっかりと抱き寄せて、年老いてもなお生気に満ちた瞳が僕を強く睨んでくる。

「スティーブ。これは私の息子だからな?」

「知ってるよ。」

僕の言葉にもハワードはトニーを抱き締めたまま離さず、ぼたぼたとトニーの手にしたカップが斜めになって雫が溢れ落ち、床へと珈琲の水溜りをつくってゆく。本当に過保護な父親になったものだ。何処か引っ掛かりを覚えながらもハワードの言葉に苦笑してしまう。ハワードの腕に抱かれたトニーは上目遣いで僕を睨み据えるハワードの顔を見ると、嬉しそうにハワードの胸元に頬を摺り寄せた。その仕草が可愛らしくて僕の心が蕩ければ、ハワードはさらにトニーの肩を強く抱き寄せて僕へと告げる。

「何度も忠告させてもらうがこれは私の息子だからな!スティーブ、いいか?絶対に手を出すんじゃないぞ!」

ハワードの人差し指が僕に向く。他人に対して指を向けるなんて社交マナーを熟知している彼にしては随分と失礼だ。顔を真っ赤にして僕に忠告を繰り返すハワードは興奮のあまり唾を飛ばしてくるような勢いだった。

「ハワード…落ち着いて。そして僕を信用してくれ。
いまの君はまるで恋人を取られそうになってる彼氏みたいだぞ。」

嫉妬にも似たハワードの反応を見て僕が告げれば、ハワードとトニーの動きが突然にぴたりと止まる。何故動きを止める?

「え?」

ひくりと口の端が歪む。あり得ないだろう…。先程自分で言っていたではないか。ハワードとトニーは実の血の繋がりがある親子関係なのだ。嫌な予感…嗚呼、確信に近い予感がした。超人血清の力加減を忘れて、僕の手にしたコーヒーカップがピシリとひび割れる音がした。トニーはただ黙って僕をじっと見据えてくる。本気の覚悟をみせる瞳に僕は立ち上がってコーヒーカップをテーブルに打ち付けた。激しい衝突音と共に粉々に散るカップ。

「スティーブ。私は父親失格だ。
だが、私はトニーを愛している。」

ハワードもまたトニーとよく似た瞳で臆する事なく僕を見据えてくる。認めれる筈がない。僕の愛したトニーが、トニーの実の父親であるハワードに奪われるなんて。


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