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零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

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AVENGERS小説【我等が神様】

AVENGERS小説【我等が神様】

アルティメッツearth1610。
仲良し神様と社長。
アルティメッツの仲良し2人組が好きです。

『追記を読む(↓)』からどうぞ。



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トリスケリオン:マンハッタンアッパー・ベイ。自由の女神に見守られし水場に聳え立つその建物はまさにアメリカの象徴だった。自由を愛し、世界の平和の為に働く組織がいる。僕が働いている職場は其処だ。アルティメッツの商品開発部。上司は才色兼備でありながら、街中を大量破壊してまわった超人ハルクの恋人ベティ・ロス。次の新商品は英雄キャプテン・アメリカの盾をデザインしたフリスビーと、ソー・オーディンソンのムジョルニア型ギターだ。ソーに関してはまだアルティメッツの正式メンバーではないと上司から愚痴を溢される日々を送っている。つまりは平和だ。なんの変哲もない平和そのもの。僕は其処で大量の書類を左腕に抱え歩いていた。右手には眠気も覚めるような苦味満載のブラックコーヒー。トリスケリオンはガラス張りの一面があり、光り輝く朝陽が充血した僕の眼に刺激を与える。歩きながらブラックコーヒーを啜り徹夜で鈍った頭にガツンと衝撃を与えてやる。新商品開発の重要会議は明日だ。書類作成は間に合いそうだが、もう少しだけ頑張る必要がある。どれ気分転換も兼ねて爽やかな空気でも身体に与えてやろうかとふらふらとした足取りで建物の入り口を目指せば、彼らが其処に居た。
アルティメッツへの資金援助を行いながら、自身も御自慢のアーマーを着こなし戦闘に参加する億万長者トニー・スタークと、アルティメッツにはまだ所属はしていないと言い張る元・精神病患者のソー・オーディンソン。ハルク暴走の一件を機に仲の良い友人となったらしい2人の御登場に僕は子供のように心を跳ね上がらせた。いつの時代もヒーローとはやはり心が踊るものだ。しかし、トニー・スタークはヒーローには似つかわしくない酒の入ったグラスを右手に握り、早朝から優雅なアルコールタイムのようだ。ソーの言葉に相槌を打ちながら和やかに酒に口を寄せる。ソーはソーで朝食の立食い中らしく、特大サイズのハンバーガーに噛り付き髭にソースをつけてはニコニコと笑顔を見せている。ハンバーガーとヒーローのコラボもなかなかに良さそうだ…!空腹に腹を鳴らしながら僕は新商品の構想も兼ねて彼らの観察を始める。商品開発のアイデアは日常から生まれるものだ。2人のヒーローを眺めながら、僕は白い柱に背中を預けた。太陽に熱せられた柱は若干ながら暖かい。ソーは髭についたソースを指で拭い舐め取ると身振り手振りをまじえながら話すトニー・スタークの唇に特大のハンバーガーを寄せる。どうやら「朝から酒ばかりでは力が出ないぞ。」とソーが注意したらしく、トニー・スタークは蒼い瞳をきょとりとさせ、やがて噴き出してパンパンとソーの肩を叩き出す。何かがツボに入ったらしく腹を抱えて笑うトニー ・スタークにソーもにっかりと太陽のような眩しい笑顔をみせた。ソーのなだらかな金髪も相まってまるで大好きな主人に褒められた飼い犬ゴールデンレトリバーのような錯覚をおぼえる。そうして一頻り笑い終わるとソーが手に持つ特大サイズのハンバーガーに噛り付いたトニー・スタークはもぐもぐと顎を動かしハンバーガーを咀嚼して飲み干し、また酒に唇を寄せる。ぺろりと舌舐めずりをして、トニー・スタークが舐め取り残したソースをソーが太い親指でぐりぐりと拭き取った。仲が良いとは聞いてはいたが、実に仲が良い。これはアイアンマンとソーのコラボ商品もなかなかに良いかもしれない…!と僕の商品開発意欲は増してゆく。ソーの手が伸びて短い黒髪をくしゃりと撫でれば、トニー・スタークはちびちびと舐めていた酒から唇を離して至極穏やかに微笑んだ。ゆらゆらと、トニー・スタークの頭を撫で動くソーの太い指はまるで痛む場所を気遣うかのように優し気でトニー・スタークも気持ち良さそうに眼差しを細める。邪魔をしてはいけない雰囲気だ。遠巻きに見ていた僕はブラックコーヒーを啜りながら、穏やかな日々の流れを過ごす2人のヒーロー達の姿を眺め続けた。
「ソー。君に頭を撫でられると自分が小さな細胞の一つ一つ、まるでちっぽけな存在になってしまったかのように感じるよ。そして、同時に安堵もする。」
「何に対してだね?」
「神様に触れられたからね。今日はまだ死なない。」
酒の入ったグラスをゆらりと揺らして微笑むトニー・スタークにソーはぴたりと動きを止めた。僕は信じられない思いでいっぱいになり、口にふくんだブラックコーヒーを吐き出しかけた。トニー・スタークは妄想癖のあるソー・オーディンソンを本物の神だと信じているのだ。信じられない!確かに彼は特別な力を持ってはいるが、神様な筈がない。神様が精神病院に通い、挙句は精神病患者として認定され、浮浪者のようなボロボロのマントを纏った姿で街中を歩いていて良い筈がないのだ。神とは、光に祝福され神々しさに溢れているものだろう!其れこそ我等が英雄 キャプテン・アメリカのように!興奮のあまり僕はうっかりブラックコーヒーを口から零していた。書類が濡れないようしっかりと脇に抱え直し、白い床に零れた液体を使い古したハンカチで拭った。染みたハンカチは新しく買い直すとしよう。動きを止めていたソー・オーディンソンは白い歯を見せて笑い、トニー・スタークの頭をさらに優しく撫で回す。
「では会うたびに触れるとしよう。」
がしがしと乱雑に見えて優しく、トニー・スタークの後頭部を太い指で熱心に撫で摩るソー・オーディンソンは差し込む太陽光に熱せられて明るくきらきらと輝いていた。シャンプーも良いかもしれない。書類の端にメモ書きを走り書いて僕はトリスケリオンの内部にある商品開発部へと向かい歩き出した。もちろん、その時の僕はトニー・スタークが脳腫瘍を患い、医師から告知された寿命が半年から5年なのだとは知らなかった。知っていたならば我等が神はどうしていたのだろうかと暫し思う。
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