FC2ブログ

零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

AVENGERS小説【機械と機械王】

AVENGERS小説【機械と機械王】

ネクストアベンジャーズのお話。
ウルトロンさん×社長。
※ご注意ください!
作者はまだアベ2を観ておりません。
しかし、念の為に、あくまで念の為に、映画アベ2とネクアベの一部設定が一緒なので映画のネタバレを全力回避されてる方はご注意くださいませ。

『追記を読む(↓)』からどうぞ。



------------------ー



燃え上がる建物。重力が狂ったかのように地面に刺さりひしゃげた車。一面瓦礫と化した街を走り続ける。戦場の臭いが喉を焼く。私の隣を走るブラックウィドウは紅い髪を揺らして、力強い眼差しで此方をチラリと見た。『何故?』問い掛けられたような気がして盾を強く握り締めなおした。『何故、彼に?』『それが正解だと思ったからだ。』視線だけの会話は数秒で終わる。鳴り響いていた銃声は沈黙し、爆音は小さな小石が転がる音に変わる。敵に近付くにつれて生命の音が次第に小さくなってゆく。
ウルトロン。銀色に輝くボディはまるで勝ち誇ったかのように死体の山に身を乗せていた。勝利の咆哮。そう感じずには居られない。だが、まだアベンジャーズは負けてはいない。腕を振りかぶりウルトロンに盾を投げつける。死体の首を押し上げて肉体を投げつけ、私の盾を弾いたウルトロンは嘲笑うかのように此方を見据えた。私の存在を確認し、次にブラックウィドウの存在を確認する。そうして、ウルトロンは次の存在を探す。今ならウルトロンの思考が読める気がした。“彼”を探すウルトロンの一瞬の隙をついてホークアイの矢が空気を切る。続く爆音。ヴィブラニウムで出来た銀色のボディは些細な爆発では傷一つ付きはしない。ヴィブラニウムにはヴィブラニウムを。素早い動きで駆け出したブラックパンサーと私は事前の打ち合わせ通りにウルトロンに殴りかかった。前方と背後から。しかし、ヴィブラニウムのぶつかり合う音が鈍い。私達の攻撃は恐らくウルトロンに効いていないのだろう。ウルトロンの進化は私達の想像の遥か上をゆく。歯を食いしばり、私はウルトロンの顎を蹴り上げた。私達は負ける訳にはいかないのだ。
僅かに揺れたウルトロンの貌。其処に色が宿った気がした。私の背後から届いた機械音。
「キャップ!」
届いた仲間の声に私は身体をウルトロンから引き離す。アイアンマンが放ったリパルサーレイを受けてウルトロンがよろめく“振り”をする。嗚呼、そうだ。これは“演技”なのだ。地を蹴り上げ、一気にアイアンマンへと距離を詰めるウルトロン。その貌にまた色が宿る。ズシンと鳴り響いた地面。アイアンマンとウルトロンの間に突如として現れた巨大な柱のような指がウルトロンの体を掴み取る。ジャイアントマンはそのままウルトロンを握り潰そうとするが、ウルトロンは軽々と巨大な握力を押し退けて、指の檻から身を翻した。ウルトロンの視線が揺らぐ。また、探しているのだろう。煙幕に揺らぐ影からワスプとヴィジョンが飛び出してウルトロンへと力を放出する。其処に混じるリパルサーレイを感知してウルトロンはまた貌に色をつけた。
「スティーブ。」
ブラックウィドウは銃の引金を何度も弾きながら私の傍に寄る。チラリと流し眼をしてきた彼女は『確信した。』と私に伝えてきた。ウルトロンの狙いは人間の、力を持つ者の抹殺なのだろう。だが、そこに1人だけ“例外”がいる。確信を得た私は盾を強く握りなおしウルトロンに殴りかかった。
「世界に無秩序な人間は必要ないと言ったな。ウルトロン。
だが、お前も人間と変わらない。お前はただ愛を勝ち得て、独占したいだけだ。幼子と変わらない!」
無機物な筈のウルトロンの貌に色が宿る。憤怒だろう。いいや、嫉妬か?盾で殴り切り落としたウルトロンの腕が地面へと転がる。アベンジャーズは負けはしない。誕生したばかりのウルトロンにはそれが何故か分からないだろう。“愛”を求める以上、ウルトロンには創造主であり、父親であるアイアンマンをトニー・スタークを殺せない。
伸びてきたウルトロンのもう片方の腕が私の頸を締め上げる。落ちた腕もコードが切断を確認して蠢き、暫くの後には再生するのだろう。私は詰まった息を振り絞るように吐き出して声を荒げるのだ。
「頼む…約束を!トニー!」
此処へ向かう途中。『自分達に何かがあればジェイムズを、私達の子供達を頼む。トニー。』そう告げた言葉にトニーは眉間に皺を刻み込んで頸を横に振った。『アベンジャーズは負けはしない。』そう語るトニーにナターシャも同意したけれど、永遠などないのだ。人に死がある以上、終わりは突然にやって来る。だから、終わる前に“誰か”が引き継がなければならない。“アベンジャーズ”を。
頸を締め上げるウルトロンの腕を蹴り上げて指を外し呼吸を持ち直す。アベンジャーズは負けはしない。ブラックウィドウの援護射撃を察知しながら私はウルトロンに盾を強く打ち込んだ。ブラックパンサーの腕が殴り上がり、ホークアイの矢が奔る。負けはしない。だが、私達は此処で死ぬのかもしれない。この戦いを生き残る可能性がある者は、ウルトロンに愛された、トニー、君だけだ。だから君に託す。私達の、アベンジャーズの子供達を。
「トニー!」
「約束ならいくらでもする!だから、今は戦いに集中しろ!」
届いた約束。私は盾を振りかざして声をあげた。
「アベンジャーズ、アッセンブル‼︎‼︎」
いつも未来に手を伸ばすような感覚だ。アベンジャーズの瞳に力強く光が灯る。



粉塵を巻き込んだ冷たい雨が頬を濡らす。腕も足の感覚すらもない。滲む視界の中で血に塗れた指を握り締める銀色の体を見た。躾のなっていない幼子は置いていかれたな。笑おうとしたが声も出ない。
『見つけ出す。必ず。』
無機物な筈の声に感情が宿った。どうして、その愛を世界へと向けられなかったのだろうか?君が意識を持つ前、機械王は穏やかに微笑み「平和の象徴であるように」と君の頬を優しく撫でていたと言うのに。誕生したばかりの機械は道を血で濡らしながら機械王を求めて彷徨うのだろう。哀れだ…とても……




「…ジェイムズ。歩けるかい?」
大きな手で頭を優しく撫でられて起こされた。覗き込んできた眼差しはとても優しい。僕は彼を知ってる。トニーだ。父さんの大事な友達。まだ重たい瞼を擦って頑張って立ち上がる。此処は何処だろう?アベンジャーズのタワーでみんなと寝てた筈なのに…。何処かの広い空間。トニーは僕と手を繋いでゆっくりと歩いてくれた。左脚を地面に擦って歩いているトニーは何だか苦しそうだった。よくよく見たら顔に傷もあるし、服から血も出てる。また何か怖い事があって、トニーは父さん達と一緒に戦ったんだ。そうだ。父さん達は?問いかけようとして、やめた。空気が重い。僕はトニーの手を強く握り締める。広い空間の小さな道を歩いてゆけば、カンカンと金属が踏み鳴らされる。此処は何処なのだろう?うっかり小さな道の外側を覗き込めば、ぽっかりと空いた穴が下に何処までも何処までも続いていて、その真っ暗な闇にぞくりと震え上がった。まるで巨大な闇に食べられてしまいそうで、僕は怖くなって手摺りを掴む。突然立ち止まって、震える僕に気付いたトニーは「ジェイムズ?」と名前を呼んで僕の顔を覗き込んでくる。優しい眼差しは変わらない。でも、トニーの瞳は僕よりもずっとずっと泣き出しそうだった。トニーの首に両手を伸ばして必死に抱き着く。暗闇が怖くないように。トニーに抱き上げられて、大きな背中を見詰める。トニーの服の背中に手で掴んだ跡があると気付いて僕は手を伸ばした。誰かがトニーに『行かないで』と縋ったみたいだ。掴み跡に手を重ねれば僕よりもずっと大きい。
「大きな子供だ…。」
トニーは僕の事だと思ったみたいで小さく笑っていた。だから僕は「僕は子供じゃないからね!」と不貞腐れてトニーにぎゅうっと抱き付いた。…ごめん。嘘だ。本当はトニーが笑っていたんじゃなくて、悲しくて耐え切れなくなって泣いていたんだって僕は知ってる。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理人にだけ読んでもらう

HOME

カウンター

プロフィール

瀬対ユウキ

Author:瀬対ユウキ

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム

リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。