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零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

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ディスウォAVENGERS小説【眠れる森の美女は目を覚まさない】

ディスウォAVENGERS小説【眠れる森の美女は目を覚まさない】

ディスウォからアキトニ(腐向け)。
眠れる森の美女ネタ。
つまりはトニーが眠ったままの時のお話。
此処らへん美味しすぎませんかね?(笑)

『追記を読む(↓)』からどうぞ。



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脳波は正常。心臓も動いてる。
けれど、まったく目を覚まさない。
純白のベッドに呑み込まれたトニーは身動き一つとらなくて、まるで眠れる森の美女だと告げられた。
あの事件の日からいつも俺の傍に居て、よく動く唇が俺に対していつも微笑んでくれたのに…今はまったく動こうとしない。
俺よりも大きくて温かな手に触れて、両手で包み込んでみるけれど、力ない指は俺の手を握り返してはくれなかった。

「トニー…起きてくれよ…。」

名前を呼び掛けても、肩を揺さぶっても、まったく反応しない身体に目頭が熱くなる。視界がじわりと滲んでトニーの顔がよく見えない。見たいのに。トニーが瞳を開いて、「何だ、泣き虫だな。アキラ。」と笑ってくれる顔が見たいのに。

トニーの短い前髪を撫でて指を絡める。ずっとこのままなんて嫌だ。まだトニーに謝ってない。俺の事を大切に思ってくれて、俺を心配して護ろうとしてくれたのに…有難うも、ごめんも伝えられないままなんて嫌だ。
ぽたりぽたりと溢れた涙がトニーの頬に触れて流れ落ちてゆく。

「起きろよ、トニー…。
俺が泣いてるのに、パートナーが泣いてるのに、放っておくなんて酷いじゃないか。」

静かな室内には俺の啜り泣く声しか響かない。深く眠ったまま動かないトニーは、ふとしたら其の儘消えてしまうんじゃないかと。ふとしたら其の儘……ぞくりと不安が全身を駆け抜けて俺は慌ててトニーの胸に耳を寄せた。普通の人にはない硬い金属の感触を確かめて、どくどくと脈打つ心音を確かめる。安心したらトニーの唇の隙間を指でなぞって呼吸を確かめる。生きてる。生きてる。生きてる!
だから大丈夫だと自分に言い聞かせて俺はトニーに顔を寄せた。助けるから。絶対に助けるから。
眠れる森の美女となったトニーの唇に唇を触れ合わせて、俺は強くトニーの手を握り締めた。
目を覚ましてよ、トニー。
御伽噺なら…。そう願いながら離した唇。閉じた目蓋はふるりと揺れる事もなく、握り締めた指先は力なく純白のベッドの上に落ちた。眠れる森の美女は目を覚まさない。
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