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零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

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捧げ物AVENGERS小説【あがる水飛沫】

捧げ物AVENGERS小説【あがる水飛沫】

誕生日プレゼントに捧げさせてもらったアベンジャーズ小説です。
私が社長好きなので社長贔屓しているかもですが、カプなし、仲良くわいわいしてるお話です。


『追記を読む(↓)』からどうぞ。




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『ようこそおいでくださいました、Mr.スティーブ・ロジャース。
トニー様がお待ちです。玄関から真っ直ぐに進み、右側奥の屋外プールへとお進みください。』

玄関の扉が開いた途端に英国訛りの声が降り注ぎ、スティーブ・ロジャースは肩を跳ねさせた。“彼”がトニー・スタークご自慢の息子“J.A.R.V.I.S.”だろうとは気付いてはいた。が、しかし実体のない彼に何処へ視線を向けていいものかと迷いながら、スティーブは小さな溜め息を吐き出してジャーヴィスに言われた順路で屋外プールへと進んで行く。
スティーブにとって、慣れない現代の中でも“トニー・スターク”は特に慣れない部類の人間のような気がしてしまう。それこそ、スティーブが生きていた戦時中には“空飛ぶ鎧”なんて想像が出来なかった。彼の父親であるハワードは“空飛ぶ車”を開発していたが…。
懐かしい想い出を思い起こせばスティーブはくすりと笑ってしまい、慌てて口許を引き締めた。以前「スタークは似た者親子だな。」と告げた時、複雑そうな表情で眉間に皺を刻んだトニーに睨まれたのだ。父親との確執はもうないとは聞いていたが、やはり比較されるのが嫌だったのだろうか。純粋にそう考え、それ以来スティーブはトニーとハワードの2人を比較する事をしなくなった。だが、しかし…

「気持ちの悪い笑顔だ、キャプテン。どうした?童貞を卒業でもしたのか?」

自然と緩むスティーブの唇を指摘して笑うトニーは屋外プールの端でワインを口に運び優雅に佇んでいた。
プールサイドには到底似合わない黒のビジネススーツに身を包み、キラキラと光を反射させている。まるで太陽光を身に纏っているかのように立ち振る舞うトニー。

「君はいつもそうだ。冗談しか言えないのか?」

まったく、と腕を組み睨みながら告げればトニーはにんまりと笑みを深めてスティーブに挑発的な台詞を吐いてゆく。

「楽しければいくらでも言うさ。
せっかくの休暇だろう?楽しめよ。君はプールは嫌いか?飛び込みは?」

手を上げ、指でくいくいっと仕種して「こっちに来い。」と促すトニー。
スティーブは呆れたように溜め息を吐き出してトニーがいるプールサイドへと歩み寄った。マリブの豪邸内に広がる屋外プールは波の音を反響させてゆらゆらと水面を揺らしている。

ぱんっと小さな音が響いてプールサイドの椅子へと視線を向ければ、晴れた日には到底似合わない傘を開き、それをプールへと向けたブルース・バナーが「かかりそうだからね。」と苦笑する。
えっ?と意図に気付けず首を傾げたスティーブの足にこつんと小さな機械があたった。その瞬間に目前に居た筈のトニーの姿がゆらりと揺れ消えて、驚く間もなくトンッと背中を押されたスティーブはキラキラと太陽光を反射するプールへと勢いよく飛び込んでしまう。盛大にあがった水飛沫。水を弾いた傘を下ろしてバナーは眉をさげて苦笑した。
手で水を掻き、咥内に入った水を吐き出して水面から顔を上げたスティーブはプールサイドでにんまりと笑い仁王立ちするトニーを睨みつけて叫ぶ。

「スターク!」

「まんまと騙されたな、キャプテン。どうだ?なかなか完成度の高いホログラムだろう?」

ホログラムのトニーとは違うラフな恰好のトニーは素足に浸したプールの水をわざとらしく蹴り、えいっえいっとスティーブへとさらに水を掛けてゆく。
どうやら完成した機械を見せびらかし、それを使った悪戯をしたかったらしいと気付いたスティーブはびしょ濡れになりながらトニーの足を掴もうと腕を伸ばした。そうはさせまいと避けるトニー。しかし運動神経ではスティーブの方が上である。がっしりと捕まえられた右足首にトニーがわあわあとわめき立てた。

「離せ、キャプテン!服が濡れたらどうしてくれる?」

「もう濡れたよ。」

「私が言っているのは君の服の話じゃない!」

喚くトニーの頭に不意にぽんっと優しく触れた手。ポップタルトを頬張りながら「先程の悪戯だが、スタークはロキに似ているな。」と何か確信したように告げたソーが笑顔のままトニーの脇と両足に腕を差し込み体を抱き上げる。意図を察したトニーは手足をばたつかせて無意味に近い抵抗をした。

「待て待て待て!ソー!
裏切る気か!?ポップタルトをあげただろう!?」

「うむ。美味かった。」

満足そうにぺろりと唇を舐めたソーに「裏切り者!」と叫べば、軽々しく放り投げられ、トニーは空中を舞いプールへと急降下してゆく。
プールサイドの椅子に座りながら研究を進めていたバナーは再びぱんっと傘を開いて、上がった水飛沫を回避していた。

「一緒に遊びたいのならば素直に言った方がいい。」

にっと満面の笑顔を見せたソーに、スティーブは水中から顔を出したトニーの様子をちらりと窺う。濡れたズボンからうっすらと透けて分かる黒の水着。成る程。確かにこれなら水に濡れてもいい衣装だと笑みを浮かべれば、拗ねたように唇を尖らせたトニーはぱしゃりと右手で水面を叩き、スティーブの顔面に水飛沫を引っ掛けた。
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