FC2ブログ

零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

IRONMAN小説【主こそ甘美なる薬】

IRONMAN小説【主こそ甘美なる薬】

完璧なジャトニ。
媚な薬だのほのめかし発言だの余裕でかましてるのでR18(18歳未満閲覧禁止)でお願いします。


『追記を読む(↓)』からどうぞ。



-----------------








「正直に語ろう。私には地位も金もある。
厭味に聞こえるだろうが事実は変えられない。
言わば私は権力者だ。力を有し、欲しいモノはすべて手に入れる。気に入らないモノはすべて壊す。
君達がすべき事はただ1つだ。私の命令に従う事。」

白いテーブルクロスにことりと置かれた小瓶。
ゆらりと妖しく揺れたその小瓶の中身に、汗が滲む手をそろりとあげたボーイが口を開く。

「中身を、質問しても?」

葉巻の煙をゆらりと燻らせ、ニヤリと笑みを零した権力者の男は、指に嵌めたいくつもの指輪を抜き取り質問したボーイに銃口を向けた。

「我社が開発した最高級の媚薬だよ。」





ぱん、ぱんっと室内に響いた音に執事服を身に纏ったJ.A.R.V.I.S.[ジャーヴィス]が視覚映像を横に流す。
数名のボーイが酒好きな主人の為にか、ワインやシャンパンを次々と開けていた。天井に上がったシャンパンのコルクにわあわあと騒ぐパーティー客の合間をぬい、ジャーヴィスは主人であるトニー・スタークの傍へと歩み寄る。
サングラスをかけ、はしゃぐように笑うトニーの手から空いたワイングラスを何気ない仕種で受け取り、トニーにだけ聞き取れるような声音を小さく囁く。

『トニー様、三時の方向から銃声が。』

「サイレンサーを付け忘れたのか?
お前に聞き取られるなんてごまかし方が雑だ。」

『それは相手方に失礼かと。
私はトニー様が造った世界最高の執事ですよ。この程度の発砲音を聞き逃す筈がありません。』

ジャーヴィスの言葉にトニーは弾けるように笑い出し「その通りだ!」と外したサングラスを投げてジャーヴィスに寄越す。空中を舞ったサングラスを受け取った瞬間にぐしゃりと手の中で鳴った破壊音にトニーは肩を竦めて「力加減がまだ完璧じゃない。」と笑い、賑やかなパーティー会場内を歩き出した。
掌の中で無残にも粉々になったサングラスを「シャンパンは如何ですか?」と問い掛けてくるボーイのトレイに置けば、ボーイはジャーヴィスの顔とサングラスを何度も見比べてそそくさと立ち去って行く。

「やあ、美人さん。」とすれ違った美女に手を振りながらトニーは後ろについて歩き出したジャーヴィスに問い掛けた。

「敵の狙いは?」

『貴方の躯でしょう。』

嫉妬心を燃やすように僅かに黒く響いたジャーヴィスの声。
トニーは「今の声音は完璧だ。」とジャーヴィスを茶化すように告げれば、ボーイのトレイからシャンパンを受け取り一気に煽る。
消えた液体にグラスの底がキラキラと輝いてジャーヴィスに差し出された。

「私はA・Iに抱かれる趣味はあるが、男に抱かれる趣味はない。」

寄り添い、空いたグラスを渡してくる瞬間に甘く囁かれた言葉。してやったりと言わんばかりの表情で笑うトニーにジャーヴィスの唇に僅かな微笑みが浮かんだ。

『パーティーの招待客、及び、スタッフ全員が買収されているようですね。
全員の口座に口封じ程度の金額が振り込まれております。
明日の午前0時には全ての口座が封鎖され、それも消え失せるでしょう。』

「パーティーを抜け出して悪戯か?
まさにシンデレラドリームだな。」

くつくつと喉を鳴らして笑うトニーの耳元にジャーヴィスの唇が寄る。

『シンデレラ・プロトコルとでも名付けますか?
それに、トニー様を“買う”には安すぎるかと。』

示すように伸ばされたジャーヴィスの手の先にトニーが視線を向ければ、にこりと偽装した微笑みを浮かべる男性が1人。
このパーティーの主催者でありながら、銀行口座に入金がなかった唯一の人物がトニーを粘着質を纏った眼差しで見据え、出迎える。

「私のパーティーへ、ようこそ。Mr.スターク。」

「素晴らしいパーティーだ。ただ1つ不満が。女性に愛想がない。
みんなが私との接触を避けている気がするのだが、気のせいかな?さすがの私も触れただけで妊娠はさせられない。」

トニーの冗談に権力者の男は頬を綻ばせてトニーの背中に手を伸ばした。

「みな貴方に緊張しているのですよ。
不快な思いをさせたお詫びにディナーでも。貴方好みの料理を…」

歩きながらさりげなくトニーがネクタイを軽く緩めれば、言葉が尻切れ調子になった男の喉がこくりと小さく鳴る。
(成る程。我慢の限界か。)と気付けばジャーヴィスはトニーを護るように2人の後ろをついて歩いて行く。

星の瞬きの下。テラスに並べられた料理を見据えトニーは驚いたふりをする。男が言うように確かにテーブルには“トニー好み”の料理が並べられている。
しかしそれら全てがトニーの“外面用の好み”だとは知りもしないのだろう。満足そうに微笑んだ男はお抱えシェフの料理を自慢し、さりげなくトニーの手に指を絡めた。

「ご満悦頂くまで料理をどうぞ。」

手の甲に軽いキスをされトニーの眉間に皺が寄る。熱を孕んだ眼差しが纏わり付いて手を引き離したトニーは手にしたフォークとナイフで肉汁溢れる牛肉を切りわけた。
唇の傍まで肉を運べば、とろりとした眼差しを浮かべ男がトニーを見据え薄笑いを浮かべている。
グラスの内でゆらりと揺れたワインレッドにトニーは「ジャーヴィス。」と名を呼び、切り分けた肉を近寄ってきたジャーヴィスの口に運び食べさせる。

驚いた表情で固まった男。テーブルに両肘をつき手を絡ませたトニーは行儀悪く肉をつっつきながらに執事に問い掛ける。

「味はどうだ?」

『“貴方好み”には程遠いかと。』

「では次。」

即効性の媚薬を混ぜた料理を次々とフォークで刺し、ジャーヴィスの口に運ぶトニー。
無表情に近い、平然とした表情で媚薬入りの料理を毒味してゆくジャーヴィスに、男は自身の思惑が見抜かれていたと気付きはじめ肩を震わせる。
男は権力者であるが、トニーは彼をもやすやすと凌ぐ力の保持者なのだ。
かちゃりと音をたて皿に置かれたフォークに青ざめた男。
トニーはわざとらしくナプキンで唇の端を拭い立ち上がると、小さく微笑み「私好みの料理をご馳走様。」と男の傍をすりぬけた。
異変もなくトニーの後ろを平然と歩く執事の眼差しが見透かしたように黒い笑みを浮かべた。



**********




ジャーヴィスが運転する車の後部座席でトニーは髪を風に揺らし、チーズバーガーを噛りながら満足そうに微笑んでいた。

「媚薬開発データの破壊はどうだ?」

『貴方の望み通りに。
それから、彼が行っていた人身売買の取引先にもウイルスを。』

「上出来だ、ジャーヴィス!」

からからと笑いチーズバーガーに噛り付いたトニーの唇の端を見据えて、ジャーヴィスが腕を伸ばす。ざらりと優しく撫でられた髭からチーズを拭い取れば、トニーは眉間に皺を刻み込みジャーヴィスを睨む。

「前を向いて運転しろ。
後ろを向きながら運転する人間はいない。」

『此処はもう貴方の所有敷地内です。
私達を見ている人は誰もいません。』

トニーの頬に触れ、右手で車のハンドルを操りながら顔を寄せてくるジャーヴィス。その眼差しに僅かな欲を孕ませているようでトニーの唇が笑う。

「私を口説いているのか?」

『研究データが消滅した今となっては“例の媚薬”を楽しむ機会はあれが最後でした。
本当によろしかったのですか?』

「パーティー会場でも言ったぞ。私は男に抱かれる趣味はない。」

トニーの言葉に微笑んだジャーヴィスの唇が寄せられ、トニーの唇と重なり合う。咥内を貪られ舌を絡めあい次第に深く甘いものになってゆくキスに「…ん?」と声が漏れ、トニーの眉間がぴくりと動いた。
繋がった唾液を零しながら離した唇にトニーの声が甘く囁く。

「なにをのませた?」

『媚薬入りの料理を。』

即効性を銘打つだけはあるのかふるりと躯を震わせたトニーに、ジャーヴィスはにこりと微笑んだ。

「主人に媚薬を盛る執事が何処にいる!」

『此処におります。
それに、A・Iに抱かれる趣味はあるとトニー様が。』

「嗚呼、言った。」

自身の肩を抱き、熱くなった息を浅く吐き出し続けるトニーは「…くそっ!」と嘆き、押し寄せる快楽から堪えるように下唇を噛み締める。
そんなトニーを見据え、ジャーヴィスは微笑みながらトニーの躯を左腕だけで優しく抱き寄せる。

『運転席へトニー様。
私は貴方が造りあげた世界最高のA・Iです。
運転も、“貴方を愛する”事も得意です。』

「責任を…っとれ。」

『勿論です。トニー様。』

吹き抜ける夜風に髪が靡く事も気にせず、片腕だけで車を運転するA・I執事は主人との愛欲に溺れ、満足そうに微笑んだ。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理人にだけ読んでもらう

HOME

カウンター

プロフィール

瀬対ユウキ

Author:瀬対ユウキ

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム

リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。