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零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

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IRONMAN小説【予測不能。】

IRONMAN小説【予測不能。】

腐向けのジャトニです。
世界は予測不能な事ばかり。
従者義体化。ツイッターの診断で出た内容に情景が浮かんだので書いてみました。

『追記を読む(↓)』からどうぞ。




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どんよりと濁った灰色の雲が青い空を浸蝕してゆく。
青のキャンパスに急速に広がった灰色は陽射しを遮り、地上に立つ人々を薄暗い空間へと飲み込んでゆく。怪しい雲行きに親元へと駆け出した子供達。
彼らを追い掛けるように、薄暗い闇は敷地内の草木をも飲み込んでゆく。


「降ってきた。」

ぱらぱらと降りはじめた雨を見上げてトニー・スタークは笑顔を見せた。

ハッキングで得た情報と精密な計算により天気を予測した筈のジャーヴィスはトニーから貰った義体の動きを止めてただ空を見据えていた。
ぽつり、ぽつりと頬に雨粒が伝い落ちる。
事前に調べた計算では今日この場所で雨が降る確率は6.24%だった。10%にも満たない。
降水確率の低い雨に驚き、しかし、ジャーヴィスはすぐさまに自身が着ている執事服の上着を脱ぎ、空を見据えるトニーの頭にそれをかぶせた。

『申し訳ありません、トニー様。計算を誤りました。
雨に濡れます。
至急 建物内へとお戻り下さい。』

ジャーヴィスの忠告にトニーは満足そうに微笑み、肩に触れてきたジャーヴィスの手を握りしめ、繋ぎなおしてゆっくりと歩き出す。

『トニー様…』

「謝る必要はない、ジャーヴィス。
何処かの気まぐれな神様が悪戯に雨を降らせたのかもしれないだろう?
予測出来ない事はある。だからこそ日常は面白い。」

にやりと微笑みを浮かべた唇は雨に濡れ、艶やかで、魅力的だとジャーヴィスは感じていた。
創造主と接するたびに積もる予測出来ない想いはいつまで閉じ込めておけるのだろうか?

『予測出来ない事ならば他にもあります。』

「なんだ?」

立ち止まり、頭にかぶった上着の下から覗き込むトニーの瞳が嬉しそうに輝く。
繋いだトニーの手をほんの強く握りしめ(私は貴方に“愛情”を…)と心中で囁いたジャーヴィス。
瞬間にトニーの体がどんっと前方に倒れ込み、ジャーヴィスは主を支えようと必死にトニーを胸に抱いた。しかし勢いが消える事はなく、ジャーヴィスはトニーを抱えながら濡れた草地に尻餅をついてしまう。
敵襲かと警戒心を強めたジャーヴィスの瞳が捉えたのはトニーの腰に小さな手を目一杯に絡めて抱き着く義体姿のダミーとユーだった。

(雨が降って来た!)と知らせたかったらしいダミーとユーはにっこりと微笑んで、ジャーヴィスの腕の中から身を捩り振り向いたトニーは眉間に皺を刻み込んで声を低く発する。

「確かに。これは予測出来なかったな。」

トニーの言葉にこてりと同時に首を傾げたダミーとユー。
ぱらぱらと降り続ける雨が大地も草木も濡らして、冷えた空気が大切な体温をも奪わないようにと身を起こしたジャーヴィスはトニーの体をしっかりと抱き抱え上げた。
空いたトニーの手を握ろうとぴょんぴょんと跳び回り必死に手を伸ばすダミーとユーに囲まれて、ジャーヴィスは“私達の我が家”へと歩を速めた。


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