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零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

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AVENGERS小説【悪戯好きな彼と、彼の執事と、僕と…嗚呼、ついでに彼のストーカー】

AVENGERS小説【悪戯好きな彼と、彼の執事と、僕と…嗚呼、ついでに彼のストーカー】

ゲイリー→∞→∥(ブロック!)博士&J×社長。
ゲイリー変態でギャグ以外の何物でもない産物。(笑)


『追記を読む(↓)』からどうぞ。




-------------------




『ー…と言う訳でして、スーツ調整の数時間の間、私の代わりにあの変態男からトニー様を護って頂きたいのです。』

此処はニューヨーク。復旧したスターク・タワーのとある一室。
天井にあるスピーカーから降り注いで来たJ.A.R.V.I.S.の言葉にブルース・バナーは一瞬で固まってみせた。
漸く動き出した指は手元の眼鏡を弄りながらちらりと天井を見上げ、困ったように唇を引き締める。

「それは…僕よりもキャプテンに頼んだ方が良くないかな?
ほら、僕はその、短気だし…」

『最終的にはハルクにぷちっと潰して頂きたいのです。』

「僕が嫌だよ!!?」

ジャーヴィスの爆弾発言にバナーは目頭を押さえ込み、冗談でも勘弁して欲しいと首をふるふると横に振るった。



【悪戯好きな彼と、彼の執事と、僕と…嗚呼、ついでに彼のストーカー】


此処はニューヨーク。1年前の宇宙人侵略戦争から復興を遂げ、人々が賑やかに行き交う場所。
穏やかな陽射しの中でカフェテラスに座り、ブラックコーヒーを啜りながら僕は正面に座る彼をちらりと見た。
彼にしては随分と地味な灰色の服。フードを深くかぶり、黒いサングラスで変装したトニー・スタークは正体がバレないとたかを括っているらしく、テーブルに膝をつき油断した様子でカフェラテを啜っていた。
カフェラテの白い泡に描かれたラテアートがアイアンマンなのはトニーなりの自己主張なのかもしれない。こんなアートを生み出すのだから店員の腕には恐れ入ったものだと関心しながら、アイアンマンだけに留まらずハルクのアートも注文したトニーには呆れながらも関心する。トニーのハルクファンは嘘ではないと言う事が、僕には嬉しさと困るような複雑な心境を抱かせた。

「お待たせ致しました。」

その一言と共にテーブルに運ばれてきたキャプテン・アメリカの盾を象った3枚重ねのパンケーキをサングラスをずらし見据えたトニーの瞳がきらきらと輝く。子供みたいに甘いデザートに心揺れるトニーは年齢に似合わずとても可愛らしかった。
嗚呼、君の気持ちは分かるよ。分かるけれど少し凝視しすぎかな。
僕はこほんとわざとらしく咳ばらいをして、隣の席に座る男に不快感をあらわにした眼差しを向けた。男は慌てて視線を戻す。
ウェイトレスに正体がバレないようにサングラスを中指で押し戻してフードを深くかぶり直したトニーは指の付け根まで隠れる袖に若干苦戦しながらナイフとフォークを手に取った。

「も、萌え袖…!」

ぼそりと隣のテーブルから聞こえた歓喜の声に僕はこほんと咳払いをして椅子の端を掴んだ。ゆっくりと椅子ごと体を動かして男の席からトニーが見えない位置まで動く。
不自然に近付いた距離にトニーは僕に首を傾げてみせた。

「君も食べたいのか?」

「いいや。そこはちょっと陽射しが強いから椅子をずらしただけだよ。」

「そうか。」とそれだけ告げ、はむりと細かく切ったパンケーキを口に入れてもぐもぐと咀嚼するトニーの頬が幸せそうに緩む。指を隠す長い袖も気にしないまま、髭についたクリームも気にしないまま、こんなに幸福そうな顔をされたら誰にも邪魔をさせたくないと僕だって思ってしまう。
ジャーヴィスの過保護欲が僕にも分かった気がして、僕は微笑みながらトニーの髭についたクリームをナプキンで拭ってあげる。ぐにぐにとされるがままのトニーは擽ったそうに微笑んで「どうせまたすぐに付くぞ?」とパンケーキを掬いながら僕に告げた。トニーの言った通り、パンケーキにのった生クリームはたっぷりだったし、カフェラテの泡もまだまだ残っている。それでも下手をすれば変態の視姦に曝されかねない姿はあまり人に見せたくない。僕は「なら君の髭にクリームがつくたびにまた拭いてあげるよ。」と告げてテーブルに置いた筈の白いナプキンを手に取ろうとした。
そうして、違和感に漸く気付く。さっきトニーの髭を拭いてあげたナプキンがない。カフェテラスに座っているから風に飛ばされたのかと辺りの床を見て、それでも落ちている様子はなく、ならばテーブルの下かと下を覗き込んで、僕はビギリと盛大な破壊音と共に手を置いていたテーブルの端にヒビを走らせた。

「あー…それを返してくれるかな?」

一見穏やかに微笑んで僕たちのテーブルの下に潜んでいた男に手を伸ばす。さっき忠告してからいつの間に忍び込んだのかな?まさかそこからずっとトニーを視姦してた訳じゃないよね?股間と生クリームのついたナプキンなんて変態に部類する思考だよ?言いたい事も聞きたい事も沢山あったけれど、僕の意識はそこで別の方向に削がれた。

「バナー!バナー!
この苺のムースは格別だぞ!君も食べてみろ、ほら!あーん。」

男の存在に気付いてないトニーが隣から抱き着いて僕の口に苺のムースがのったスプーンを差し込んだ。嗚呼、間接キスだね。うん。とか一瞬思考が和やかに飛んだ瞬間に僕たちのテーブルが真下から吹っ飛んだ。

「トニーのムース!!!!!」

テーブルの下に潜む変態男ことゲイリーの存在にやっぱり気付いていなかったらしく、トニーはビクリと両肩を震わせ僕の背中にしがみつきながら後退る。まるで天敵に出会い、恐怖に怯えた小動物みたいにトニーの体が強張っていた。

「はぁ、はぁ、トニーのパンケーキ!!!
俺、俺にも…トニーのおおぉぉ~!!!!!」

気持ち悪く叫びながら鼻息の荒いゲイリーがじりじりと僕たちに近寄って来る。その表情は完全にトニーだけを見据え、嗚呼、これはマズイね。捕まったらまず間違いなくトニーが犯される。完全完璧に間違いなく質の悪いストーカーだ。と僕はこんな街中でありながらハルクになろうかと本気で考えた。
突然の変人の行動に、また宇宙人の侵略戦争か何かかと焦ったウェイトレスや市民達は僕らを残して蜘蛛が子を散らすように逃げ去ってゆく。ハルクになるには好都合だと思った瞬間にド派手な音楽がカフェテラスに響き渡った。
ひらりと空中を華麗に舞ったアイアンマンの新型スーツ。その掌からリパルサー・レイが放たれ、顔を青褪めさせたゲイリーは「ひぃ!」と悲鳴を上げ身を竦ませた。

「ジャーヴィス!」

『トニー様、お待たせ致しました。新しいスーツの調整が完了致しました。
それでは、トニー様に纏わり付く害虫には即刻消えて頂きます!』

ジャーヴィスの言葉と共にアーマーの肩口が開き、蒼い輝きが溢れて次々と発射された小型ミサイルが危機を感じ逃げ出したゲイリーの後を追い掛け爆発してゆく。
粉塵が舞い上がり、次第にそれも静まってゆく道路に内心僕はホッとしていた。あの男は危険だと今回の一件でよく分かった。出掛ける前にジャーヴィスがした忠告も正しい。トニーを護らなければトニーが犯られる!

「せっかくの美味しいデザートがだいなしだ!」

僕達以外は無人と化したカフェテラス。半分以上も残して無惨に地面に落ちたパンケーキにトニーは肩を落として溜息を零す。

『トニー様、こんな事もあろうかとスターク・タワーのプライベートルームにパンケーキをご用意致しました。
トニー様にご満足頂けるよう3段より高く5段積みのパンケーキです。』

ジャーヴィスの言葉に直ぐさまトニーの瞳がキラキラと輝きを取り戻す。嗚呼、星みたいに輝いて綺麗だな。と僕は心癒されながら和やかに思った。

「さすがは私の最高傑作!ジャーヴィス、お前は本当にいい子だ!!!
バナー、仕切り直しだ!スターク・タワーへ戻ろう!」

僕の手を握り歩き出したトニー。その温かな手を握り締めて、彼を護らなければと僕は思った。人工知能であっても、きっとジャーヴィスにも僕と同じ“感情”があるのだろう。アイアンマンを操るジャーヴィスの指にするりと自身の指を絡ませ、ぎゅうと強く握ったトニーに僕は優しく微笑んだ。

「…ぅ…トニーの…背中チラが……」

微かに聞こえた声に振り向いた僕の瞳は深いグリーンだったかもしれない。
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