FC2ブログ

零の音

瀬対ユウキによる【グローランサー シリーズ】中心非公式ファンblogです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

AVENGERS小説【悪戯社長と不眠症。~前編~】

AVENGERS小説【悪戯社長と不眠症。~前編~】

不眠症な社長と心配する電脳執事とアベンジャーズメンバー。
ダミーとユー君もいます。

『追記を読む(↓)』からどうぞ。




-----------------



静寂に包まれていた真っ暗な室内に扉の開く小さな音がした。
部屋の主は眼鏡をサイドテーブルに置き、ベッドの上でぐっすりと眠りについている。
室内に入り込んだ“来客者”はベッドの上に盛り上がった毛布を見て、部屋の主が眠っていると気付いたようで、落胆したように小さく息を吐き出した。
それでも諦めきれないのか裸足でぺたぺたと室内に入り込むと、ボスンッと大きな音を立てベッドの端に腰掛けてみせる。
その音と衝撃に驚き、眠りの世界から引き戻された部屋の主であるブルース・バナーは弾かれたように身を起こして、手を伸ばし眼鏡を掴む。
そうして突然の来訪者に眉間を寄せてみせた。

「やあ、バナー。
私と遊ばないか?」

優雅に足を組みながらベッドに腰掛け、にっこりと笑う来訪者のトニー・スタークにバナーの唇が困ったように小さく微笑む。
こんな時間の来訪者なんて彼しかいなかった。
ハルクにならずに済んだ事に半ば安堵しながら、まだ重い瞼を擦りバナーはトニーに問い掛ける。

「今、何時か分かってる?」

「3時32分。」

「うん。午前のね。」

真っ暗闇なのはバナーの部屋だけではなく、外も同じ。今は深夜なのだ。間違っても遊ぶ時間ではない。
小さく苦笑するバナーに目敏く気付いたトニーが室内に置いてある試験管を手に取り、弄りながら真剣な表情で問い掛けてくる。

「忙しいのか?」

「みんな寝てる時間だよ?」

そう返しながらも眠気を覚まそうとバナーは顔を手で何度も擦る。
トニーはまた何か面白い発見でもしたのかと内心期待しながら、なかなか眠気を払わない脳が欠伸をさせれば「ダメか?」と到底トニーらしくない不安げな声が届き、バナーははっと一瞬で目覚め彼を見た。

「もしかして、眠れない?また不眠症が?」

「まさか!悪化してた分の不眠症は治った。」

肩を竦めひらりと手を振ったトニーにバナーは深く溜め息を吐き出した。

「悪化してた分は、なんだね?」

根本の不眠症は完治してないんだねと暗にバナーに指摘され、トニーは持っていた数種類の治療薬をポケットから取り出し、バラバラと試験管の中に突っ込んだ。
むすりと唇を尖らせ「アメリカの医療はどうなってるんだ?ずっと飲んでいるのにまったく効かない。こんな医療機関に誰が出資なんてするんだ…。」と彼自身が個人出資している病院に文句をつける。
そんなトニーにバナーは苦笑して、そうして心配を噛み潰すように小さく唇を歪ませた。



翌日。
S.H.I.E.L.D.が持つ巨大飛行戦艦ヘリキャリアに呼び出されたアベンジャーズのメンバー達。
長官であるニック・フューリーと別室で彼と話をしているトニーに、調度良い機会だと人工知能(AI)執事であるジャーヴィスが残ったアベンジャーズメンバーに相談を持ち掛けた。

『…と言う訳でして、第1回トニー様を眠らせる会議を行わせて頂きます。』

トニーの不眠症の悪化を心配したのはバナーだけでなく、トニーのずっと傍に居続けるジャーヴィスもやはり、トニーの不眠症の悪化を危惧していた。
一通りの説明を終えれば偶然にも地球に来ていたソーが第一番に口を開く。

「俺は腹一杯食べれば眠くなるぞ?」

『誰も貴方を眠らせようなどとは言っておりません。』

ジャーヴィスの辛辣な言葉にもソーは「そうか。」と顎髭を撫で考え込む。
ソーはソーなりにトニーを心配しているようで、「ふむ。」と小さく唸り、悩みながら他のアベンジャーズメンバーに視線を向ける。

「睡眠薬を飲ませたらどうだ?S.H.I.E.L.D.特製の。」

「それなら私がスタークを気絶させた方がはやいわ。」

『もっと安全な方法をお願いします。』

さすがはS.H.I.E.L.D.のお抱え組であるクリント・バートンとナターシャ・ロマノフの物騒な提案に優秀なる電脳執事ジャーヴィスは直ぐさまに断りを入れる。
下手をしたら大切な主が永久睡眠をされてしまうと内心S.H.I.E.L.D.へと毒づきながら、ジャーヴィスは打開策の新たな提案を求めた。

「運動するといい。
ほどよく疲れれば夜も自然と眠くなる。
良かったら僕がスタークのスパークリングに付き合おうか?」

スティーブ・ロジャースは真面目で面倒見のいい彼らしい提案を上げるが、直ぐさまにジャーヴィスからは「いいえ。」と落胆したような声が届いた。

『皆様の知る姿からは想像できないでしょうが、トニー様は影の努力家で日々のトレーニングを欠かしておりません。
それでも眠りに付けないのです。』

今にも溜め息を吐き出しそうな声で告げたジャーヴィスに、外した眼鏡を指で弄っていたバナーが小さく言葉を吐き出した。

「となると生活環境…かな?
パソコンの構いすぎは脳に悪影響だとか。」

『………それは、トニー様の不眠症は私達のせいだと言う事ですか?』

おおよそ機械らしくない間を持ち、心が痛むように告げたジャーヴィス。
そんな彼にバナーは指の動きを止めて慌てて訂正をした。

「いや、君達のせいとは言ってないよ。
ただパソコンの光は就寝前の脳を活性化させて…」

自身の頭を指でさし示して説明するバナーだったが、それも戻って来たトニーの姿を確認して途端に尻切れ調子になる。

「なに?」

会議室に戻って来た途端、全員が全員トニーの顔を見るものだからトニーは自身の胸を示して「私の話か?」と言わんばかりの表情で問い掛けた。

「試すだけ試してみよう。
スターク、明日またヘリキャリアに集合だ。」

ぽんぽんとスティーブに肩を叩かれ、告げられた内容に不満そうなトニーはジャーヴィスに何があったか尋ねるがジャーヴィスは「申し訳ありません。」と苦痛を纏った口調で返すだけだった。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理人にだけ読んでもらう

HOME

カウンター

プロフィール

瀬対ユウキ

Author:瀬対ユウキ

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム

リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。